「まま、ありがとね」と、最近クラームがよく言ってくれる。
寝る前に牛乳が欲しいと言われて、コップに注いで渡したとき。
寝かしつけのため抱っこして暗い部屋を歩き回ったあと、布団に入ったとき。
クラームが嘔吐して泣きべそかいてる隣で、布団の汚れを拭いていたとき。
不妊治療4年間、自分の子どもに会いたくて会いたくて、でもその望みは簡単に叶わず、しんどい時期を過ごした。あの時、心待ちにして見つめていた、受精卵の写真。あの子が、今、自分で考えたことばを私に伝えてくれる。なんて幸せなことだろうと嬉しさを噛み締めている。